浩平

第五章 雄琴

第二百三十七話「タミー」

家族四人でビリヤードに来るなんて、なんだか不思議な気分だ。球と球がぶつかり合う音にサクラコが驚いて泣き出すんじゃないかと不安だったけど、音に合わせて自分の手を鳴らしながら上機嫌だ。俺も、球が弾ける音を聞いて、さらにテンションが上がってきた。...
第五章 雄琴

第二百三十六話「ブレイクショット」

相変わらず、すすきの店の担当を鮫島部長の部下が引き継いだことに不満を持つ石川部長が、頻繁に電話を掛けてきて、俺の貴重な時間を奪う。ただ、「ピチピチプレミアムの利益って、グループ全体の利益の二割を超えてますよ。」って言われて、たしかにそうかも...
第五章 雄琴

第二百三十五話「単純」

名門私立小学校に入学したカオルコが、二年生になった。完全にサエコに任せっきりだから、特に感慨深いものもないけど、すくすくと成長しているようだ。サエコは、子育てと言うよりも、名門校の母親同士の付き合いに疲れていて、「なんでランチで、フレンチと...
第五章 雄琴

第二百三十三話「ミツコちゃん」

スカウトメールでやりとりをしていた女の子と、大阪の喫茶店で待ち合わせをしているんだけど、約束の時間を三十分も過ぎているのに来ない。電話をしてみたけど出てくれないし、わざわざ大阪まで来たのに無駄足だったのかもしれない。もう諦めて帰ろうとしたと...
第五章 雄琴

第二百三十二話「バーカウンター」

北海道から引き揚げてきたクリちゃんを慰めてあげようと思って、何度か電話をしているんだけど、そもそも電源が切れているようで繋がらない。京都での業務が特にないなら、雄琴を手伝ってもらいたいんだけど、本人と話が出来ないから、このことを会長に提案す...
第五章 雄琴

第二百三十一話「佐伯派」

ピチピチプレミアムの集客の秘訣をひと言で説明すると、インターネットのフル活用だ。ホームページや会員サイトで女の子の出勤情報などを積極的に公開するだけでなく、「写メ日記」というコーナーを設けて女の子のリアルな素顔を配信しているのも受けている。...
第五章 雄琴

第二百三十話「腹心」

あれから三日しか経っていないのに、早くもクリちゃんが外され、代わりに鮫島部長の部下の与沢っていうやつが北海道を担当することになった。ピチピチマダムでマネージャーをしていたやつらしいから、顔を見れば分かるとは思うけど、たぶん何か話をしたという...
第五章 雄琴

第二百二十八話「まぐれ当たり」

 雄琴のソープランドには、昔のような活気がない。たぶんバブル時期には、それなりに活況だったんだと思うけど、それ以降、ずっと右肩下がりが続いている。あと、経済の好不況とは関係なく、ソープランドのオーナー達の高齢化が進んでいて、時代の流れについ...
第五章 雄琴

第二百二十七話「サブプライム」

 お客様がいっぱい来てくれるのは、もちろん嬉しいことなんだけど、改善すべき点がいくつも見つかった。褒めるところは褒めて、注意すべきところは注意するというサジ加減が難しいんだけど、とにかく話すべきことを忘れないうちに、浩平とキョウカさんには伝...
第五章 雄琴

第二百二十六話「タトゥー」

 まずはオープンできたことだけで満足して終わる一日かと思っていたのに、次々と予約の電話が入って、今日は閉店時間まで、ほぼギッシリと予定が詰まってしまった。明日と明後日も同じような状態、さらに来週、再来週の予約までもが入り始めた。大袈裟ではな...
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