栗橋

第五章 雄琴

第二百五十二話「緊張感が」

家族が出て行ってしまった自宅は、俺ひとりには広すぎる。いつ何時、どんな女の子を招き入れることになるか分からないから、リビングと寝室だけは掃除を怠らないようにしているけど、俺ひとりで掃除するには広すぎる。ベッドメイクをしながら、ここでミカとの...
第五章 雄琴

第二百五十一話「手続き」

娘二人を連れて、サエコが家を出ていった。家からも遠くない場所にあるマンションで暮らしている。あの夜、俺の帰りを待ち受けていたサエコは既に離婚を覚悟していたし、お互いの主張をぶつけ合うなかで俺も離婚を避けられる方法はないと思った。だから、離婚...
第五章 雄琴

第二百四十八話「第二回」

ほんの数か月前に二号店の話をしていたかと思ったら、もう既に三号店の話まで進んでいる。北海道の勢いは本物のようだ。少額とは言え出資者のひとりである俺としては吉報なんだけど、なんだか俺の隣で、めっちゃ落ち込んでいるやつが居る。 「タイミングっ...
第五章 雄琴

第二百四十六話「チャンス」

見ず知らずの男たちに弄ばれるケイコの様子を眺めながら、見ず知らずの女を相手にする。普段からソープ嬢として不特定多数の男性との関係を持っているケイコだけど、乱交パーティのような複数で楽しむという行為は初体験で、恥じらいながら、戸惑いながら、な...
第五章 雄琴

第二百三十一話「佐伯派」

ピチピチプレミアムの集客の秘訣をひと言で説明すると、インターネットのフル活用だ。ホームページや会員サイトで女の子の出勤情報などを積極的に公開するだけでなく、「写メ日記」というコーナーを設けて女の子のリアルな素顔を配信しているのも受けている。...
第五章 雄琴

第二百十九話「世間話」

 今日からお前が社長だ、お前に全てを任せると言われて、素直に喜べるほど俺はもう若くない。ピチピチグループが買収したソープランドを運営する法人の社長になると言うことは、この法人が行っている事業で発生したトラブルの全責任を、俺が負わされるという...
第五章 雄琴

第二百十七話「ユウコト」

 そういえば俺、いつもここでカットフルーツを買って食べていたなと、懐かしい記憶が蘇った。もう二十年以上前のことだけど、ワンダラーのマイに会うために歌舞伎町に足繁く通っていた頃、百果園に立ち寄るのが習慣になっていた。「すみません、パインをひと...
第五章 雄琴

第二百十話「ピンポーン」

 プライベートに連動するように、仕事の方でもモヤモヤした状態が続いた。春先には本格的に動き出した雄琴出店プロジェクトだけど、結局、ソープランドの譲渡契約さえ締結することが出来ずに、そのまま年を越してしまった。出鼻をくじかれたから、徐々に俺の...
第五章 雄琴

第二百七話「メッセージ」

 すすきのの店が全く期待通りの結果を出せず、担当のクリちゃんが軽い鬱状態になってしまっているらしい。うちのグループが京都以外で出した初めての店舗で、俺を含め幹部それぞれが出資をしている店舗でもあるから、うまくスタートして欲しかったけど、新天...
第四章 やはり京都

第二百話「自分のペースで」

 ミカの部屋に立ち寄って、一週間前から置いたままになっていた道後温泉のお土産を持って、自宅へと戻った。返品が出来なかった福岡のお土産に関しては、ミカが職場や知り合いなどに配って処理してくれるというので任せた。サエコが喜んでくれるだろうと思っ...
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