吉田

第四章 やはり京都

第百五十一話「指導」

 吉田が店の前で、ボコボコに殴られたと聞いて、真っ先に頭に浮かんだのは、あのレッドポイントグループの松山さんのことだ。グループ内で湧き上がっている俺への不満を押さえつけて、わざわざ俺の店に訪ねてきて、頭まで下げてくれたけど、やっぱり若い人間...
第四章 やはり京都

第百五十話「ボッコボコ」

 いきなり会長から、このタイミングで呼び出されるなんて、どう考えてもレッドポイントの件しか考えられない。相手方の専務が、わざわざ俺を店にまで訪ねてくる事態に発展したんだから、怒られても仕方がない。でも、やっぱり怖いわ。「えらい騒ぎやったみた...
第四章 やはり京都

第百四十七話「カナコ」

 三カ月と言われて、記憶を遡ってみても思い出せない。とはいえ、サエコが妊娠したということは、俺の子だ。倦怠期を迎えて久しく、数少なくなった夫婦の営みの一回が、見事に的中したらしい。カオルコがお姉ちゃんになるんやな。次は、男の子かな。でも、や...
第四章 やはり京都

第百四十四話「入院」

 後頭部をスプレー缶で思いっきり殴られたらしい。俺のことを振り払って逃げようとした泥棒は、すぐに駆けつけた綜合警備保障の警備員らに取り押さえられ、後から来た警察官によって暴行容疑で現行犯逮捕された。現在、東山警察署で取り調べ中とのこと。「十...
第四章 やはり京都

第百四十三話「イタズラ」

 年末に向けて、社員と女の子たち皆で協力しながら、出来ることは全てやろうと一致団結して頑張っているんだけど、そんな俺たちの思いに水を差すように、このところイタズラ電話が頻繁にかかってくる。無言電話のような軽微なものもあれば、長々と店のシステ...
第四章 やはり京都

第百四十一話「紅葉」

 京都の街のあちこちに、渡月橋を真っ赤な紅葉が取り囲むポスターが目立ち始めた。これを見て、そろそろ秋が近づいていることを感じる。京都に戻ってきてから数年は、古都の四季折々の姿に、いちいち自分の感情を重ね合わせたりもしたけど、最近では、そうい...
第四章 やはり京都

第百四十話「インターネット」

 佐伯さんから「お前の好きにしたら、ええねん。」と言ってもらえて、力が漲ってきた。実際のところ、ウッチーの後釜でプリプリの店長になって、好きなように店を作り変えてきたんだけど、次々と辞めていった社員のことなどを考えると、少し弱気になっていた...
第四章 やはり京都

第百三十八話「犬」

「あたし、アイツに騙されてただけやねん。」「え、だれ?」「ここの店長してた人に。」「ウッチーやろ?」「あ、その呼び方、めっちゃ怒ってたで。」「店長って呼べって言われてたわ。」「アイツ、人間のウツワが小さいからなぁ。」「そやねん。」「偉そうに...
第四章 やはり京都

第百三十七話「五木」

 俺がプリプリの店長になってから三カ月が過ぎた。自分のやりたいようにやれる店を作るには、とにかく人材が必要だから、男性スタッフの強化と、女の子の大量募集をして、中身を一新させた。店長就任当初は、前店長のウッチーが言ったことや、やったことを盾...
第四章 やはり京都

第百二十六話「報酬」

 プリプリ改造作戦を始めてから、昼間の仕事と、夜のミーティングで、ほとんどの時間を費やしてしまっている。だから、家に帰っても、ほとんど寝るだけ。愛しのカオルコちゃんとも一緒に遊ぶ時間がとれない。それでもサエコは、俺のプリプリ就職を、喜んでく...
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