ミカ

第四章 やはり京都

第百七十九話「札幌」

 空港からJRに乗って、まずは札幌市内へと向かう。たぶん白樺の木だと思うけど、車窓から見える木々と、その先に広がる大自然が、北海道に来たことを実感させる。京都でも少し郊外に出れば美しい山々があるんだけど、こんな雄大な自然の迫力を感じることは...
第四章 やはり京都

第百七十八話「秘密主義」

 これから京都を離れることが増えそうなので、部長に昇格した報告を兼ねて、伏見稲荷大社へ出掛けた。俺が好き勝手なことばかりしながらも、楽しくて上々の人生を送れているのは、ここのキツネさんが守ってくれているからだ。あまりお願いごとをしたくはない...
第四章 やはり京都

第百七十七話「最優先」

 ミカと電話している間、サエコは俺の顔をずっと見つめていて、俺が何かを発するたびに「よっ!部長」と囁くような声で、俺に声援を送っていた。あんな状況では、どれだけ嬉しくても気持ちのままを声に出すことは出来なかった。ちゃんと説明したら、きっとミ...
第四章 やはり京都

第百七十六話「田附、パパ、ヒロキ」

 僅か二時間くらいの会議だったけど、普段の倍くらい疲れた。ピチピチグループを全国区の風俗グループにするという会長の野望が、本格的に動き出す。そして、専務の栗橋を筆頭に、俺と石川、鮫島の三人が、部長職の幹部として、会長を支えることになる。正直...
第四章 やはり京都

第百七十一話「ブルブル」

 史学科の卒業であることを自慢げに話すだけあって、完全にミカのペースの姫路城巡りは、思いのほか、楽しめた。どうしても天守閣や城壁ばかりに目がいってしまいがちだけど、ミカは普通の日本庭園というか広場のようなところで急に足を止めて、「姫路城から...
第四章 やはり京都

第百七十話「寄り道」

 ほぼ予定通りの時間に、兵庫県に入り、順調に神戸を通過する。姫路まで三十五キロという看板を見て、助手席のミカが「まもなく、姫路!姫路!」と、相変わらずのハイテンションで喜んでいるけど、明石西という出口から高速を降りる。「あれ?どうしたの?」...
第四章 やはり京都

第百六十九話「レッツゴー!」

 どうして病院に行くのに服装を気にする必要があるのとか、具合が悪いならタクシーで行けばいいのにとか、サエコからの鋭い質問の数々を潜り抜けて、なんとかクルマに乗り込んで自宅を出た。今朝も依然として体調が悪い演技を続ければならなかったために、少...
第四章 やはり京都

第百六十七話「小寺さん」

 美味しいものを食べて、ベッドの上で過ごすだけの関係を「セフレ」だと言うのなら、昼間にどこかでデートすれば良いだろうという我ながら短絡的なアイデアを思いついて、「今度、俺のクルマで、どっか出掛けへん?」と誘ってみた。断られたらどうしようとド...
第四章 やはり京都

第百六十六話「カップル」

 高島屋の大きな包みを抱えたまま、タクシーで祇園まで戻り、プリプリの前を足早に通り過ぎ、ブクープへと向かう。さすがに、全体ミーティングのために皆が集まっている職場に派手な包み紙の荷物を持って登場するのもどうかと思うから、困ったときのタケちゃ...
第四章 やはり京都

第百六十四話「不信感」

 ミカとのデートも、今日で六回目になる。週に一度の付き合いだけど、自分のことをさらけ出しながら、とても濃い時間を過ごしているから、ミカは他の誰よりも俺のことを知ってくれていると思う。そして、今日のミカは、これまでよりも明らかに口が軽い。「ミ...
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