第四章 やはり京都

第四章 やはり京都

第百六十話「ストラップ」

 京都の人間なら誰でも知っている割烹料理屋のカウンター席を予約しておいた。白いシャツに、流行りのローライズのパンツを合わせたミカは、いつもより大人びて見える。ミカなら、どんな店に連れて行っても恥ずかしくない。「今日も、綺麗やな。」「ありがと...
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第百五十九話「誕生日」

 サエコが、サクラコと共に自宅へと戻ってきた。サエコの両親に預かってもらっていたカオルコも帰ってきて、田附家の家族四人の新しい生活が始まった。カオルコには、まだ長女になったという自覚がないから、これまでと同じようにお母さんに構って欲しそうに...
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第百五十八話「ダブルヘッダー」

 ミカちゃんと俺は、エッチに関する考え方だけではなく、その他のモノの見方だとか考え方も、かなり似ている。ブランド品のようなもので自分を着飾るよりも、贅沢な食事や、美味しいワイン、そして、お互いを知るための会話など、そのシチュエーションを存分...
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第百五十七話「ミカ」

 水色のキャミソールに、白の短パン姿で、すらりと伸びた足がめっちゃ綺麗だ。もう口に出して伝えたけど、ほんとうに綺麗やわ、ミカちゃん。なんて言うか、「クールビューティ」という言葉が、一番しっくりくるように思う。「なんで俺に電話くれたん?」「昨...
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第百五十六話「祝い」

 翌朝、いつもより早めに家を出て、病院に立ち寄った。サクラコは、新生児室で寝ているため、ガラス越しに眺めるだけで、話しかけたり抱きかかえたりは出来なかった。サエコの方も、昨日は元気そうにしていたけど、やはり大仕事を終えて疲れがたまっていたの...
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第百五十五話「幸福」

 いきなり「服部」と名乗られて、「誰やねん!」と思ったけど、こないだ世界地図のモニュメントの前でナンパしたミカちゃんだった。声の感じで何とか分かったけど、名字は教えてもらってなかったから、危うく気分を悪くさせるところだった。「すみません。こ...
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第百五十四話「二回目」

 ミカちゃんからスグに電話が来るかもしれないと、ケータイを握りしめたまま、ウキウキしながら自宅に帰った。もちろん、電話はかかって来なかったけど、あんな綺麗な子と出会えて、ほんま良かった。「なんか今日、ご機嫌やねぇ。」「え、そうかな。」「ええ...
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第百五十三話「俺のやり方」

 三日後、頭にネットを被った状態だけど、吉田が店に出勤してきた。見た目が痛々しいから、まだ客の前には出られないけど、裏方として動く分には問題がないからと言っている。接客はアルバイトに任せて、タオルの回収や、女の子の使いパシリをやるらしい。 ...
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第百五十二話「俺らのやり方」

 鮫島店長からの返答に対して、俺から言い返す言葉が見つからず、ただ何となく「ほな、店に戻るわ。」とだけ言って、階段を降りてきた。 これまでにも、暴力でスタッフを黙らせて、自分のやりたいように店を回す店長というのは、何人も見てきた。男性スタッ...
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第百五十一話「指導」

 吉田が店の前で、ボコボコに殴られたと聞いて、真っ先に頭に浮かんだのは、あのレッドポイントグループの松山さんのことだ。グループ内で湧き上がっている俺への不満を押さえつけて、わざわざ俺の店に訪ねてきて、頭まで下げてくれたけど、やっぱり若い人間...
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