第四章 やはり京都

第四章 やはり京都

第百八十話「店舗リスト」

 これから伊丹空港を出発するというクリちゃんから「田附部長、すみません。ちょっと買い物を頼んでも良いですか?」と電話があった。どうせ夕方まで暇だし、軽い気持ちで引き受けたら、歩いて十分くらいのところにある大型書店に行くことになった。「お会計...
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第百七十九話「札幌」

 空港からJRに乗って、まずは札幌市内へと向かう。たぶん白樺の木だと思うけど、車窓から見える木々と、その先に広がる大自然が、北海道に来たことを実感させる。京都でも少し郊外に出れば美しい山々があるんだけど、こんな雄大な自然の迫力を感じることは...
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第百七十八話「秘密主義」

 これから京都を離れることが増えそうなので、部長に昇格した報告を兼ねて、伏見稲荷大社へ出掛けた。俺が好き勝手なことばかりしながらも、楽しくて上々の人生を送れているのは、ここのキツネさんが守ってくれているからだ。あまりお願いごとをしたくはない...
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第百七十七話「最優先」

 ミカと電話している間、サエコは俺の顔をずっと見つめていて、俺が何かを発するたびに「よっ!部長」と囁くような声で、俺に声援を送っていた。あんな状況では、どれだけ嬉しくても気持ちのままを声に出すことは出来なかった。ちゃんと説明したら、きっとミ...
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第百七十六話「田附、パパ、ヒロキ」

 僅か二時間くらいの会議だったけど、普段の倍くらい疲れた。ピチピチグループを全国区の風俗グループにするという会長の野望が、本格的に動き出す。そして、専務の栗橋を筆頭に、俺と石川、鮫島の三人が、部長職の幹部として、会長を支えることになる。正直...
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第百七十五話「アワアワ」

 俺の真向いに座っている石川店長が「ほうら、俺の言うた通りでしょ。」と言いたげな表情を浮かべている。単なるウワサ好きな男かと思っていたけど、実際に会長の口から「京都を出ていくことに決めた。」なんて言葉が飛び出した今、その認識を改めざるをえな...
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第百七十四話「珍説」

 姫路城朝帰り事件から二週間ほど、夜遊びもほどほどに大人しく過ごしている。もちろん、ミカから連絡があればデートするんだけど、それ以外の日には出来るだけ、早めに帰宅するようにしている。反省している素振りを見せれば、何を反省しているのかと問い詰...
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第百七十三話「四天王」

 今月もまた、店長会議がキャンセルになったと、クリちゃんから連絡があった。石川店長から、会長が大阪のオンナに夢中になっていて、あまり京都に戻ってきていないという情報を得ているから、あまり心配はしていないけど、さすがに二カ月連続で店長会議がな...
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第百七十二話「診察室」

神戸から京都まで高速道路をぶっ飛ばし、ミカをマンションに送り届けてから自宅に辿り着いた頃には、すでに朝六時を過ぎていた。祇園のクラブなどで盛り上がって、この時間くらいに帰宅することも数カ月に一度はあるから、さほど珍しいことでもない。とはいえ...
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第百七十一話「ブルブル」

 史学科の卒業であることを自慢げに話すだけあって、完全にミカのペースの姫路城巡りは、思いのほか、楽しめた。どうしても天守閣や城壁ばかりに目がいってしまいがちだけど、ミカは普通の日本庭園というか広場のようなところで急に足を止めて、「姫路城から...
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