第三章 さらに京都

第三章 さらに京都

第八十二話「大家さん」

 さて、自分の店を持つことについて、真剣に考えなければならない。いまさらピチピチホームに戻ることは考えられないけど、同じ木屋町でライバル関係になるようなことをして、本当に大丈夫だろうか。こういうことに詳しい人に聞いてみたら「良くあることだか...
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第八十一話「ザウルス」

 ブレーカーを探すから待ってくれと吉江が言うけど、もう待ってられないので、自分でブレーカーを探して、電気を通す。営業用の薄暗い電球ではなく、蛍光灯を点けて、入り口から順番に、建物全体を見て回る。カギを開けただけなのに、ひと仕事終えたような満...
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第八十話「吉江」

 サエコに「仕事を始めようと思ってな。」と言ったことで、店に行くたびに嘘を上塗りしなければならない状態になっている。かなり後ろめたい。ビリヤード場から直接、ル・シャネルに行けば近いのに、わざわざ家に帰ってスーツに着替えてから行ったりしている...
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第七十九話「キッチョン」

 店から出るときには、翌日の晩飯の約束をしていて、自然の流れでそのまま同伴をするというのを、完全な惰性だけど繰り返している。もう既に二十日目。斉藤や友人たちからは、キャバクラには興味が無いって言ってたのにと馬鹿にされているけど、サエコと一緒...
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第七十八話「サエコ」

 いつも通りの一番奥の半個室になったソファ席に座って、気分が良い。オープンから毎日、一日も欠かさずに来ているのに、「今日は他のお客様のご予約がありまして・・・。」なんて言うもんだから、ちょっとムカついたけど、「あの席がアカンのやったら帰るで...
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