第三章 さらに京都

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第九十二話「公安」

 山崎先生が、公安のひとを連れて来た。見るからにボスの風格を漂わせた五十過ぎくらいのオッサンと、その部下が二人。先生は、ボスと顔なじみのようで、図面と照らし合わせながら、テーブルの高さや、照明の数と明るさ、通路の幅などを計測している脇に立っ...
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第九十一話「ウチら」

 ピチピチホームの頃から、既に三年以上の付き合いになる広告代理店の営業マンを呼び出した。広告代理店と言っても、電通とか博報堂とかアサツーとか大手の会社じゃなくて、紙媒体を得意としているところ。 「俺、クラブを始めることにしてん。」「え?祇園...
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第九十話「ミーティング」

 朝、山下さんにも新オフィスの方に来てもらって、ピンクデザイアの初めてのミーティングらしいミーティングをする。もう三年ほど前だけど、同じ店で働いていたから、なにかと話が早い。席数を減らして、フラットシートで寝転がって接客できるピンサロという...
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第八十九話「出会い系」

昨日の晩、ミヨちゃんが「いつも出会い系で遊んでるんやろ。」と言って、俺が「ほんま、出会い系を使ったのは初めてやって。」と答えるやりとりを、何回繰り返したんだろうか。出会い系で出会ったくせに、出会い系ばっかり使ってる男は嫌いって、女心は難しい...
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第八十八話「寂しがり」

朝から晩まで面接をしながら、応募の電話にも対応するのって、思っていた以上に大変だ。店の営業用の小物も買い揃え始めないといけないし、広告の打ち合わせもしないといけないし、オープンイベントみたいなものも考えたほうが良いかもしれない。まさに、猫の...
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第八十七話「ドルガバ」

 面接をしていると仕事をしている気になるけど、まだ店は開いていないから、金を稼いでいるわけじゃない。早く店をオープンさせたい。山崎先生に任せている申請とか許可取りの方が、特に問題がなさそうだから、俺は女の子を確保することに集中するしかない。...
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第八十六話「続・面接」

 やっと冬の寒さも落ち着いて、春の陽気が感じられるようになってきた。朝夕は冷え込むから、何を着て出れば良いのか迷うけど、今日はコートは必要なさそうだ。朝から、昨日と同じ喫茶店で、昨日の朝と同じ席に座って、面接の女の子が来るのを待つ。  九人...
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第八十五話「面接」

 山崎先生との十数回目のミーティングを終えて、今日からいよいよ女の子の面接を始める。まだ店の方は内装工事中だから、面接場所は喫茶店だ。風俗専門の求人誌に三誌と、新聞の折り込み求人広告を出したら、ちらほら応募の連絡が来ている。  一人目の女の...
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第八十四話「大先輩」

 吉江からサインして欲しい書類があるからと言われて、木屋町の喫茶店で待ち合わせをした。本当に一箇所だけ署名をする必要があったけど、要件は十秒で済んだから、折角だしル・シャネルに顔を出そうかという流れになった。こいつ、どう考えても、ハナからキ...
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第八十三話「三千万」

 やると決めたら、突き進むしかない。早く店を開店させて、最初のお客を迎え入れたい。アルバイトから始まったピチピチホームでの経験を、自分の店で活かせる日が来るなんて、本当に夢のようだ。でも、俺の気持ちとは裏腹に、開店までの準備は思いのほか大変...
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