祇園

第四章 やはり京都

第百二十二話「タケちゃん」

 木屋町のピチピチデラックスから、もう一度、祇園の切り通しに戻ってきた。すぐに内藤店長に物申しに行こうかとも考えたけど、どれだけ真剣に話したところで分かってもらえる相手では無さそうだから、やめとく。プリプリのスグ近所のビルに入っている「ブク...
第四章 やはり京都

第百二十一話「先輩」

 就業時間が過ぎて、プリプリを出た俺は、ピチピチデラックスに石川店長を訪ねた。これが初対面だ。栗橋に用件を伝えて、事前に連絡してもらおうかとも思ったけど、下手にコトを荒立てたくないから、いきなり訪ねた。それでも、石川店長は、俺のことを知って...
第四章 やはり京都

第百十六話「プリプリ」

 改めて栗橋から電話がかかってきた。汚れることを優先して、待ち合わせをスッポかしたから、さぞや怒っているだろうと思ったら、穏やかな声で「今晩こそ、ちゃんと来てくださいね。」と、随分と大人の対応だ。俺の部下だったころは、クリちゃんと呼んで、か...
第四章 やはり京都

第百十五話「一文無し」

 俺がさっさとピンクデザイアを閉めたから、「赤字続きで、儲かって無かったんだろう。」とか、「もう、アイツは一文無しやで。」などとウワサになっているらしい。俺に直接言って来ないから、わざわざ訂正して回る必要もないけど、それなりに儲かっている店...
第四章 やはり京都

第百十四話「汚れ」

 京都の老舗映画館「八千代館」には、定期的に通っている。新京極と裏寺町通を繋ぐ細い小道にある、知る人ぞ知るこの映画館は、いわゆるハッテン場と呼ばれる場所になっている。男性との出会いを求める男性が集まる夜の社交場と言えば、分かってもらえるだろ...
第二章 京都

第七十話「四番」

 朝八時半に起きて、九時半に店を開けて、夕方に全体ミーティングをして、午後八時には店を出るという生活スタイルが定着してきた。会長に怒られて以来、もう一度、自分を見つめ直して、真剣に仕事に取り組んでいる。そして、仕事が終わったら、スキャンダル...
第二章 京都

第六十九話「スキャンダル」

 五分ほど待って、店内へと案内される。扉から一歩、足を踏み入れた途端、ユーロビートが全身を揺らす。ボーイの後ろをついて、席まで通される。男性客と向かい合って、膝の上に座っている女の子たちを見て、待たされたイライラが吹っ飛ぶ。俺の膝の上にも早...
第一章 東京

第二十二話「ダート」

 スターターが赤い旗を上げ、ファンファーレが響き渡り、各馬がゲートへと収まる。興奮で武者震いをする馬、場内の雰囲気に飲まれている馬、人気とは裏腹に気合の入ってなさそうな馬、様々な表情を見せる馬たちが、ゲートが開くと同時に、一斉にダートコース...
第一章 東京

第十四話「大株主」

 俺が京都へ帰ると、オヤジは俺を連れて、祇園の高級クラブに行きたがる。俺にクラブでの遊び方を教えてくれたのはオヤジで、最初のころは大人の世界を垣間見れると大喜びで連れて行かれたんだけど、このところ、ちょっと遠慮したいと思い始めている。「ヒロ...
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