石川

第四章 やはり京都

第百八十話「店舗リスト」

 これから伊丹空港を出発するというクリちゃんから「田附部長、すみません。ちょっと買い物を頼んでも良いですか?」と電話があった。どうせ夕方まで暇だし、軽い気持ちで引き受けたら、歩いて十分くらいのところにある大型書店に行くことになった。「お会計...
第四章 やはり京都

第百七十六話「田附、パパ、ヒロキ」

 僅か二時間くらいの会議だったけど、普段の倍くらい疲れた。ピチピチグループを全国区の風俗グループにするという会長の野望が、本格的に動き出す。そして、専務の栗橋を筆頭に、俺と石川、鮫島の三人が、部長職の幹部として、会長を支えることになる。正直...
第四章 やはり京都

第百七十五話「アワアワ」

 俺の真向いに座っている石川店長が「ほうら、俺の言うた通りでしょ。」と言いたげな表情を浮かべている。単なるウワサ好きな男かと思っていたけど、実際に会長の口から「京都を出ていくことに決めた。」なんて言葉が飛び出した今、その認識を改めざるをえな...
第四章 やはり京都

第百七十四話「珍説」

 姫路城朝帰り事件から二週間ほど、夜遊びもほどほどに大人しく過ごしている。もちろん、ミカから連絡があればデートするんだけど、それ以外の日には出来るだけ、早めに帰宅するようにしている。反省している素振りを見せれば、何を反省しているのかと問い詰...
第四章 やはり京都

第百七十三話「四天王」

 今月もまた、店長会議がキャンセルになったと、クリちゃんから連絡があった。石川店長から、会長が大阪のオンナに夢中になっていて、あまり京都に戻ってきていないという情報を得ているから、あまり心配はしていないけど、さすがに二カ月連続で店長会議がな...
第四章 やはり京都

第百五十二話「俺らのやり方」

 鮫島店長からの返答に対して、俺から言い返す言葉が見つからず、ただ何となく「ほな、店に戻るわ。」とだけ言って、階段を降りてきた。 これまでにも、暴力でスタッフを黙らせて、自分のやりたいように店を回す店長というのは、何人も見てきた。男性スタッ...
第四章 やはり京都

第百四十八話「レッドポイント」

 カレンちゃんが「わたし、出勤の時間やから。」と言って、すぐに席を立とうとするのを引き留める。このままでは、俺が彼女を引き抜こうとしたことが全てバレてしまう。なんとか上手い具合にごまかせないだろうか。実際に会っているところを見られてるから、...
第四章 やはり京都

第百四十七話「カナコ」

 三カ月と言われて、記憶を遡ってみても思い出せない。とはいえ、サエコが妊娠したということは、俺の子だ。倦怠期を迎えて久しく、数少なくなった夫婦の営みの一回が、見事に的中したらしい。カオルコがお姉ちゃんになるんやな。次は、男の子かな。でも、や...
第四章 やはり京都

第百四十六話「鮫島」

 年が明けて、門松が取れると、プリプリの三階と四階の工事が始まった。ピチピチマダムという人妻専門を謳ったファッションヘルスが、春先にはオープンの予定だ。新店の店長は、会長がどこかから連れてきた鮫島という俺のひとつ年上の男らしい。自分が可愛が...
第四章 やはり京都

第百四十二話「提案」

 店長会議の朝は、とにかく気が重い。ウッチーみたいに周りのスタッフに当たり散らすのも情けないから、昼過ぎまで自宅でゆっくりして、直接、本社に向かうことにした。俺の気持ちを察しているのか、サエコも優しい。「お昼、なにか食べたいモノある?」「な...
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