武造

第四章 やはり京都

第百八十八話「二人」

 ここ最近、タケちゃんの店で夜を明かして、空が白み始めてから帰宅することが多い。祇園のクラブを何軒かハシゴして、最終的にブクープに辿り着いて、酔っぱらって記憶を失くすまで飲むような感じだ。「今朝、何時に帰って来たん?」「何時やろ?覚えて無い...
第四章 やはり京都

第百六十六話「カップル」

 高島屋の大きな包みを抱えたまま、タクシーで祇園まで戻り、プリプリの前を足早に通り過ぎ、ブクープへと向かう。さすがに、全体ミーティングのために皆が集まっている職場に派手な包み紙の荷物を持って登場するのもどうかと思うから、困ったときのタケちゃ...
第四章 やはり京都

第百四十八話「レッドポイント」

 カレンちゃんが「わたし、出勤の時間やから。」と言って、すぐに席を立とうとするのを引き留める。このままでは、俺が彼女を引き抜こうとしたことが全てバレてしまう。なんとか上手い具合にごまかせないだろうか。実際に会っているところを見られてるから、...
第四章 やはり京都

第百四十四話「入院」

 後頭部をスプレー缶で思いっきり殴られたらしい。俺のことを振り払って逃げようとした泥棒は、すぐに駆けつけた綜合警備保障の警備員らに取り押さえられ、後から来た警察官によって暴行容疑で現行犯逮捕された。現在、東山警察署で取り調べ中とのこと。「十...
第四章 やはり京都

第百四十三話「イタズラ」

 年末に向けて、社員と女の子たち皆で協力しながら、出来ることは全てやろうと一致団結して頑張っているんだけど、そんな俺たちの思いに水を差すように、このところイタズラ電話が頻繁にかかってくる。無言電話のような軽微なものもあれば、長々と店のシステ...
第四章 やはり京都

第百三十二話「今宮」

 この今宮という男のことが、俺は嫌いじゃない。あの西谷が、初めてのミーティングの時に、俺に対して刃向かってきたのも、今宮の人徳によるものだし、店の女の子との接し方にも、マネージャーとしての愛情が感じられる。だから、しばらく一緒に働いていれば...
第四章 やはり京都

第百二十九話「挨拶」

 俺の店長就任祝いだと言われたはずの飲み会は、半分くらい会長からの説教で終わった。説教の内容は、ほとんどがプリプリの現状に対するもので、本来であれば「内藤さんのやったことですから。」で済む話なんだけど、既に俺が店長を任されたんだから、過去も...
第四章 やはり京都

第百二十八話「ナンボ」

 ソファーに腰を下ろした瞬間、会長から矢継ぎ早に質問が飛んできた。すんなりと答えるのが難しい質問も、いくつか混ざっているけど、それでも、この程度の内容は、俺がプリプリに入ってからの三ヶ月と少しの期間、毎日毎日、考え続けてきたことだ。日頃の学...
第四章 やはり京都

第百二十三話「始動」

 俺がどれだけヤル気になったところで、出来ることは限られている。風俗店における店長というのは絶対的な存在で、それに抗うことは許されない。店長は雲の上の存在、俺は地面にひれ伏す平社員だ。だから、俺は、ただ、一生懸命に仕事をこなすしかない。「ナ...
第四章 やはり京都

第百二十二話「タケちゃん」

 木屋町のピチピチデラックスから、もう一度、祇園の切り通しに戻ってきた。すぐに内藤店長に物申しに行こうかとも考えたけど、どれだけ真剣に話したところで分かってもらえる相手では無さそうだから、やめとく。プリプリのスグ近所のビルに入っている「ブク...
タイトルとURLをコピーしました