吉田

第四章 やはり京都

第百九十一話「エロカナイ」

 和臣がプリプリに来てから、一週間が経った。うちの店に属している女の子たち全員と、個別に面談がしたいと言っているのを聞いて、ちょっと張り切りすぎじゃないかと思ったけど、現場を任せている吉田や前田も協力的なので、俺は特に関わらずに放っておいた...
第四章 やはり京都

第百九十話「和臣」

 ベッドに入ったのが朝の七時過ぎだったから、午後から出勤にしようかと思ったけど、今日は店長候補のアイツの初めての勤務日だから、どうしても朝から行かなければならない。少しくらい寝たいと思いつつも、ミカとのカーセックスを思い出したら妙に興奮して...
第四章 やはり京都

第百八十八話「二人」

 ここ最近、タケちゃんの店で夜を明かして、空が白み始めてから帰宅することが多い。祇園のクラブを何軒かハシゴして、最終的にブクープに辿り着いて、酔っぱらって記憶を失くすまで飲むような感じだ。「今朝、何時に帰って来たん?」「何時やろ?覚えて無い...
第四章 やはり京都

第百八十五話「出資」

 日を追うごとに寒さが増してきて、そろそろ年末モードに気持ちを切り替えなければならないと思いつつも、ひとつの悩みが頭のなかを巡っていて、なんだか気分が乗らない。ミカとの連絡が途絶えていることも悩みと言えば悩みだけど、もっと大きな悩みに頭を抱...
第四章 やはり京都

第百七十七話「最優先」

 ミカと電話している間、サエコは俺の顔をずっと見つめていて、俺が何かを発するたびに「よっ!部長」と囁くような声で、俺に声援を送っていた。あんな状況では、どれだけ嬉しくても気持ちのままを声に出すことは出来なかった。ちゃんと説明したら、きっとミ...
第四章 やはり京都

第百七十二話「診察室」

神戸から京都まで高速道路をぶっ飛ばし、ミカをマンションに送り届けてから自宅に辿り着いた頃には、すでに朝六時を過ぎていた。祇園のクラブなどで盛り上がって、この時間くらいに帰宅することも数カ月に一度はあるから、さほど珍しいことでもない。とはいえ...
第四章 やはり京都

第百六十一話「バッグ」

 女の勘っていうのは、恐ろしい。忘れていたけど、サエコも女だった。深夜に帰宅した旦那が手にしている携帯電話にぶら下がっているグッチのストラップに気付くとは思わなかった。「いや、店の女の子たちから貰ってん。」「みんなからのプレゼントってこと?...
第四章 やはり京都

第百五十九話「誕生日」

 サエコが、サクラコと共に自宅へと戻ってきた。サエコの両親に預かってもらっていたカオルコも帰ってきて、田附家の家族四人の新しい生活が始まった。カオルコには、まだ長女になったという自覚がないから、これまでと同じようにお母さんに構って欲しそうに...
第四章 やはり京都

第百五十三話「俺のやり方」

 三日後、頭にネットを被った状態だけど、吉田が店に出勤してきた。見た目が痛々しいから、まだ客の前には出られないけど、裏方として動く分には問題がないからと言っている。接客はアルバイトに任せて、タオルの回収や、女の子の使いパシリをやるらしい。 ...
第四章 やはり京都

第百五十二話「俺らのやり方」

 鮫島店長からの返答に対して、俺から言い返す言葉が見つからず、ただ何となく「ほな、店に戻るわ。」とだけ言って、階段を降りてきた。 これまでにも、暴力でスタッフを黙らせて、自分のやりたいように店を回す店長というのは、何人も見てきた。男性スタッ...
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