前田

第四章 やはり京都

第百九十一話「エロカナイ」

 和臣がプリプリに来てから、一週間が経った。うちの店に属している女の子たち全員と、個別に面談がしたいと言っているのを聞いて、ちょっと張り切りすぎじゃないかと思ったけど、現場を任せている吉田や前田も協力的なので、俺は特に関わらずに放っておいた...
第四章 やはり京都

第百八十八話「二人」

 ここ最近、タケちゃんの店で夜を明かして、空が白み始めてから帰宅することが多い。祇園のクラブを何軒かハシゴして、最終的にブクープに辿り着いて、酔っぱらって記憶を失くすまで飲むような感じだ。「今朝、何時に帰って来たん?」「何時やろ?覚えて無い...
第四章 やはり京都

第百八十六話「分かりました」

 ずっと雲の上の存在だと思っていた会長と、こうして二人だけになることなんて、たぶん初めてだ。いつもは威圧感を周りに撒き散らしているような会長だけど、今日は妙な安心感のようなものを感じる。そういえば佐伯さんが昔、「あの人には全部が見えてる。」...
第四章 やはり京都

第百八十五話「出資」

 日を追うごとに寒さが増してきて、そろそろ年末モードに気持ちを切り替えなければならないと思いつつも、ひとつの悩みが頭のなかを巡っていて、なんだか気分が乗らない。ミカとの連絡が途絶えていることも悩みと言えば悩みだけど、もっと大きな悩みに頭を抱...
第四章 やはり京都

第百七十三話「四天王」

 今月もまた、店長会議がキャンセルになったと、クリちゃんから連絡があった。石川店長から、会長が大阪のオンナに夢中になっていて、あまり京都に戻ってきていないという情報を得ているから、あまり心配はしていないけど、さすがに二カ月連続で店長会議がな...
第四章 やはり京都

第百六十八話「プリンとヨーグルト」

 昨日の夜って、何を食べたんだっけ。とにかく朝から腹が痛い。ちょっと熱もあるみたいだ。吉田が気遣ってくれて、食欲が無くても何かを口に入れた方が良いと、プリンやヨーグルト、イチゴなんかを買ってきてくれたけど、どうも食欲が沸かない。遅番で出勤し...
第四章 やはり京都

第百六十三話「源氏名」

 たまたま夏休みで京都観光に来ていたところをナンパして捕まえたノブエちゃんと、ヤスコちゃんの大学生ふたり組が、面接に来た。お揃いのブランド物のバッグを持ち、艶々としたブラウンのロングヘヤーも同じで、どことなく雰囲気も似ているから、最初は姉妹...
第四章 やはり京都

第百六十二話「前田企画」

 五山の送り火が近づき、相変わらず暑い。遅番で出勤早々の前田が「暑いですねぇ。」と言いながら事務所に入ってくるから、うるさいなぁと思いつつも無視していたら、俺が聞こえてないと思ったのか何度も繰り返し「暑いですねぇ。」と連呼する。「暑いのは分...
第四章 やはり京都

第百五十九話「誕生日」

 サエコが、サクラコと共に自宅へと戻ってきた。サエコの両親に預かってもらっていたカオルコも帰ってきて、田附家の家族四人の新しい生活が始まった。カオルコには、まだ長女になったという自覚がないから、これまでと同じようにお母さんに構って欲しそうに...
第四章 やはり京都

第百五十二話「俺らのやり方」

 鮫島店長からの返答に対して、俺から言い返す言葉が見つからず、ただ何となく「ほな、店に戻るわ。」とだけ言って、階段を降りてきた。 これまでにも、暴力でスタッフを黙らせて、自分のやりたいように店を回す店長というのは、何人も見てきた。男性スタッ...
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