プリプリ

第四章 やはり京都

第百三十三話「前田」

 風俗業界の人の入れ替わりは、激しい。男も女も、次々と来ては去っていく。俺も、ピチピチグループにとっては出戻り組だから、他人のことを悪くいうつもりはない。とはいえ、前田よ、あれだけ気合が入っていたのに、どうしていきなり軽々しく「辞めさせてい...
第四章 やはり京都

第百三十二話「今宮」

 この今宮という男のことが、俺は嫌いじゃない。あの西谷が、初めてのミーティングの時に、俺に対して刃向かってきたのも、今宮の人徳によるものだし、店の女の子との接し方にも、マネージャーとしての愛情が感じられる。だから、しばらく一緒に働いていれば...
第四章 やはり京都

第百三十話「西谷」

 髪の毛をワックスで固めて、口の上にヒゲを蓄えた硬派なヤンキー風の男は、媚びるような姿勢を一切見せず、俺の目を直視しながら、答えを待っている。今宮マネージャーへの忠誠を示したいのか、俺への反発なのか分からないけど、店長初日のミーティングくら...
第四章 やはり京都

第百二十九話「挨拶」

 俺の店長就任祝いだと言われたはずの飲み会は、半分くらい会長からの説教で終わった。説教の内容は、ほとんどがプリプリの現状に対するもので、本来であれば「内藤さんのやったことですから。」で済む話なんだけど、既に俺が店長を任されたんだから、過去も...
第四章 やはり京都

第百二十六話「報酬」

 プリプリ改造作戦を始めてから、昼間の仕事と、夜のミーティングで、ほとんどの時間を費やしてしまっている。だから、家に帰っても、ほとんど寝るだけ。愛しのカオルコちゃんとも一緒に遊ぶ時間がとれない。それでもサエコは、俺のプリプリ就職を、喜んでく...
第四章 やはり京都

第百二十五話「我慢」

 俺が頑張れば頑張るほど、店にお客様が来て、店が儲かるから、内藤店長が調子に乗って、吉田が調子に乗って、俺がイジめられる。つまり、俺が頑張れば頑張るほど、俺がイジめられる。なんだろう、この悲しい現実は。「おーい、田附くん。」「はい、店長。」...
第四章 やはり京都

第百二十四話「兆し」

 自分を押し殺してプリプリで働き、お客様の率直な意見を聞きにブクープへ行くという流れが、俺の日常になってきた。作戦開始から一週間が経ち、「面白そうだから、俺も行ってみよう。」というお客様が増えて、次々とプリプリの改善すべきポイントが明らかに...
第四章 やはり京都

第百二十三話「始動」

 俺がどれだけヤル気になったところで、出来ることは限られている。風俗店における店長というのは絶対的な存在で、それに抗うことは許されない。店長は雲の上の存在、俺は地面にひれ伏す平社員だ。だから、俺は、ただ、一生懸命に仕事をこなすしかない。「ナ...
第四章 やはり京都

第百二十話「グループ」

 ファッションヘルスの新人の仕事は、トイレ掃除に始まり、精子まみれのタオルの入った袋の運び出し、そして、女の子たちのパシリ。とはいえ、早番で出勤している女の子は、たったの三人しかおらず、来客数もさほど多くないから、運ぶタオルも少ないし、パシ...
第四章 やはり京都

第百十九話「ウッチー」

 京都・祇園の切り通し、ほんの二百メートル足らずの小道には、石畳の通りに古くからの町家が立ち並び、これぞ京都という風情がある。昼間は観光客が途絶えることなく、舞妓さんが姿を見せれば小さな歓声が沸く。日が暮れて、町家の提灯に火が灯り始めると、...
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