ピンクデザイア

第四章 やはり京都

第百十五話「一文無し」

 俺がさっさとピンクデザイアを閉めたから、「赤字続きで、儲かって無かったんだろう。」とか、「もう、アイツは一文無しやで。」などとウワサになっているらしい。俺に直接言って来ないから、わざわざ訂正して回る必要もないけど、それなりに儲かっている店...
第四章 やはり京都

第百十四話「汚れ」

 京都の老舗映画館「八千代館」には、定期的に通っている。新京極と裏寺町通を繋ぐ細い小道にある、知る人ぞ知るこの映画館は、いわゆるハッテン場と呼ばれる場所になっている。男性との出会いを求める男性が集まる夜の社交場と言えば、分かってもらえるだろ...
第三章 さらに京都

第百話「最後」

 ミナミの男に思いっきり殴られて顔面が二倍くらいに腫れている山下さんを表の接客係りにするわけにもいかないので、一週間ほどは俺が受付に立った。とはいえ、アルバイトも増員して、オープニングスタッフの松木君と長谷川君が先頭に立って頑張ってくれてる...
第三章 さらに京都

第九十七話「三回目」

 オープン三日目は、日曜日ということもあって、前々日、前日の比じゃないくらいのお客様が詰めかけてきた。俺を含め男性スタッフはもちろん、女の子たちも気合十分で、接客する。こういう店全体が一丸となって頑張ろうっていう雰囲気になってるのが好き。本...
第三章 さらに京都

第九十六話「お客様」

 ピンクデザイア営業二日目は、土曜日。オープン前から店の前に数人が並び、昼過ぎから十五分待ちくらいの混み状況になり、女の子たちはフル回転。昨晩、山下さんと熱く語っていたアルバイトの長谷川君が朝から来て働いている。早く仕事を覚えたいんだとか。...
第三章 さらに京都

第九十五話「エース」

 海綿の使い方を説明したら、ミヨちゃんが「ほんまにプロは凄いわ。」と感心しきりだ。風俗関係者の常識は、世間の非常識だ。生理の血が流れ出すのを止めるために、資生堂の商品が活躍しているなんて、知っている人の方が少ないやろな。ピンサロに遊びに来て...
第三章 さらに京都

第九十四話「海綿」

 店の慌ただしさを見て、遅番で出勤してきた女の子たちが驚いている。昨日まで、静かだったこの建物に、一気に息が吹き込まれた。夕方が近づくにつれ、来客数は増え続けている。店外に待たせるわけにもいかないので、建物のなかには入ってもらうけど、待合室...
第三章 さらに京都

第九十三話「ピンクデザイア」

 珍しく気合の入った表情を浮かべて、「いよいよやな。」と何度も繰り返し言う山下さんの姿を見て、俺まで緊張してきた。店の場所を確認する電話が、朝から五回くらいかかって来たから、今日の客はゼロではなさそうだ。ピンサロを開業しようって決めてから三...
第三章 さらに京都

第八十八話「寂しがり」

朝から晩まで面接をしながら、応募の電話にも対応するのって、思っていた以上に大変だ。店の営業用の小物も買い揃え始めないといけないし、広告の打ち合わせもしないといけないし、オープンイベントみたいなものも考えたほうが良いかもしれない。まさに、猫の...
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