ピチピチグループ

第四章 やはり京都

第百十八話「真っ直ぐ」

 あまりダラダラと無駄な日々を送っているのも、勿体ない。こういう思いが満ちてくると、いよいよ動く時だ。預金通帳を見ると、ピンクデザイアを始める前と同じくらいの残高になっている。だから、もう一度、自分の店を開くことも出来る。きっと、吉江は喜ん...
第四章 やはり京都

第百十六話「プリプリ」

 改めて栗橋から電話がかかってきた。汚れることを優先して、待ち合わせをスッポかしたから、さぞや怒っているだろうと思ったら、穏やかな声で「今晩こそ、ちゃんと来てくださいね。」と、随分と大人の対応だ。俺の部下だったころは、クリちゃんと呼んで、か...
第四章 やはり京都

第百十四話「汚れ」

 京都の老舗映画館「八千代館」には、定期的に通っている。新京極と裏寺町通を繋ぐ細い小道にある、知る人ぞ知るこの映画館は、いわゆるハッテン場と呼ばれる場所になっている。男性との出会いを求める男性が集まる夜の社交場と言えば、分かってもらえるだろ...
第三章 さらに京都

第百話「最後」

 ミナミの男に思いっきり殴られて顔面が二倍くらいに腫れている山下さんを表の接客係りにするわけにもいかないので、一週間ほどは俺が受付に立った。とはいえ、アルバイトも増員して、オープニングスタッフの松木君と長谷川君が先頭に立って頑張ってくれてる...
第二章 京都

第七十二話「タオル」

 朝八時半に起きて、九時半に店を開けて、夕方に全体ミーティングをして、午後八時には店を出る。こんな単調な毎日の繰り返しが、心地よい。大きな変化を望まず、ただ力強い組織を作ろうと、淡々と毎日を過ごしている。 この数ヶ月、ずっと変わらぬ毎日だっ...
第二章 京都

第六十二話「初対面」

 佐伯店長、いや、佐伯専務と一緒に木屋町を歩いているだけで楽しい気分になる。俺が結婚する前は、毎晩のように飲み歩いていたけど、このところ、たまに店で顔を合わせる程度だったから、この感じが懐かしい。夕暮れの木屋町の美しさを敏感に感じるのも、少...
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