この男、猥褻につき

夜の連続ブログ小説(ほぼ完全ノンフィクション)

第二百四十六話「チャンス」

time 2017/06/13

第二百四十六話「チャンス」

見ず知らずの男たちに弄ばれるケイコの様子を眺めながら、見ず知らずの女を相手にする。普段からソープ嬢として不特定多数の男性との関係を持っているケイコだけど、乱交パーティのような複数で楽しむという行為は初体験で、恥じらいながら、戸惑いながら、なんとかこの環境に馴染もうとしている。そんな姿を見て、俺は最高に興奮する。

「皆さん、慣れてる感じでしたね。」
「どうなんやろ、分からんけど。」
「全員、初めて会った人たちなんですか?」
「いや、カっちゃんは、前から知ってるな。」
「カっちゃん?」
「ほら、ちょっと遅れてきた長身の男前。」
「ああ、分かりました。」

アブノーマルなプレイに強い抵抗を示していたケイコを、なんとか説得して連れて行ったんだけど、それなりに楽しんでくれて良かった。この様子なら、これからも俺の楽しみに付き合ってくれそうだ。やっぱり俺は、どれだけ良い女と付き合ったとしても、ただ普通に交際するだけでは我慢できへんねん。

ミカとは、基本的な性に関する考え方が似通っていたから、何をするにもお互いに初めから合意が出来ていて、一緒になって性を探求しようという付き合いだったけど、ケイコは基本的に普通の女の子だから、俺が上手くリードして新しい世界の扉を開いてあげているような感じだ。どっちが楽しいという甲乙は付けがたく、どっちも楽しい。

「おい、田附。」
「あ、はい。会長、何ですか?」
「ボケっとすんなや、アホ。」
「すみません。」

次はケイコと、どんなパーティに行こうかと考えていて、全く会長の話を聞いていなかった。さすがに会長の前でリラックスしすぎだ。気持ちを引き締めないといけない。男だけを四、五人くらい集めて、ケイコを蹂躙してもらうっていうのもアリかもしれないなんて、考えている場合ではない。

「雄琴の二号店、栗橋にやらせようと思う。」
「クリちゃんですか?」
「そや、アカンか?」
「いや、ええと思います。」
「ホンマに、ええか?」
「はい、お願いします。」

こういう人間味のあるところが、会長を嫌いになれない理由でもある。無茶苦茶な指令ばかりを言われることもあるし、成績が振るわない時には思いっきり怒鳴られるけど、決して見限って捨ててしまうようなことはない。さすがに今回、北海道の失敗で完全に干されていたクリちゃんの名前が、再び会長の口から出て来るとは予想できなかったけど、やはり会長らしいと言えば会長らしい思いつきだ。

「あの、俺、思うんですけど。」
「なんや、田附。」
「プレミアムの隣の“極楽”を買収したら良いと思うんですけど。」
「そんなもん、分かってるわ。ボケ!」
「え?」
「隣やから相乗効果があるし、駐車場が広いからプレミアムの欠点が補える。そういうことやろ?」
「はい、その通りです。」

会長と同じ考えなんだから、もう少し褒めてくれても良いものを、なんで怒鳴られなアカンねん。とはいえ、専務という肩書きさえ曖昧な状態になったままで、必要なのかどうかさえ不明な書類整理のような仕事ばかりをさせられていたクリちゃんに復活のチャンスが与えられたのは、個人的にめっちゃ嬉しい。俺がピチピチグループに復帰したいと伝えたときに、二つ返事で了承してくれて、俺にチャンスをくれたのがクリちゃんだから、このまま落ちていって欲しくない。

「もしもーし、クリちゃん?」
「あ、田附部長、いや、社長。」
「そんなん、どっちでも良いわ。」
「ですよね、俺なんて肩書きだけの役員ですし。」
「いや、クリちゃん、チャンス到来やで。」

まだ、会長からは伝達がされておらず、初めて聞く話に、クリちゃんは驚きを隠さなかった。再び自分にチャンスが貰えるという感動と、また失敗したらどうしようという不安が入り混じり、複雑な心境であるとは思うけど、とにかく頑張ってほしいと思う。今度こそ、俺も全力で応援するし。

「ところで、いつもと番号が違いますけど、どうしたんですか?」
「はぁ?なんのこと?」
「ケータイの番号、変えましたか?」
「え?うそやん。」
「あれ、どうしたんですか?田附社長。」
「なんで俺、子供ケータイを持ってんねん!」


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