この男、猥褻につき

夜の連続ブログ小説(ほぼ完全ノンフィクション)

第八十九話「出会い系」

time 2016/02/23

第八十九話「出会い系」

昨日の晩、ミヨちゃんが「いつも出会い系で遊んでるんやろ。」と言って、俺が「ほんま、出会い系を使ったのは初めてやって。」と答えるやりとりを、何回繰り返したんだろうか。出会い系で出会ったくせに、出会い系ばっかり使ってる男は嫌いって、女心は難しい。こういうやりとりも嫌いじゃないけど。

それから、このミヨちゃん、あとで分かったんだけど、住んでいるアパートの最寄駅が京阪の藤森駅で、京都の子だった。出会い系では、変な男に捕まることもあるから、メッセージのやりとりでは、個人の情報を明かさないようにしているらしい。これは分かる。俺も、本人に会うまでは、山科に住んでいるってことにしていたから。俺が本当のことを言ったら、彼女も「実は・・・」と打ち明けてくれて、一気にお互いの関係が深まった。

学生のころに伝言ダイヤルに夢中になった日々が懐かしく思い出されたし、会ってみるまで顔も容姿も分からない女の子と待ち合わせするドキドキ感も、たまらなかった。だから、昨晩、ホテルから出て、タクシーに乗るミヨちゃんを見送ってから、ずっと出会い系サイトに入り浸りだ。夜型の女の子が多くて、全然、寝られへんかったやん。まぁ、今日も面接するけど。

二十九人目は、ダイアナちゃん。本名はダイアナ・バロテルス・ヨシザワで、母親がスウェーデン人のハーフの女の子。ブロンドのロングヘアで、目は青くて、見た目は完全に外人。こんな子がひとりくらい居ても面白いかとは思うけど、日本語があんまり話せなくて、頑張って英語でコミュニケーションをしてみたけど、これは無理そう。一時間以上も話したのに、この子のことがほとんど何も分からず仕舞い。不採用。

三十人目は、ヨウコちゃん。誰の影響やろ、ヨウコって名前の子、多いな。ピンサロの仕事について、事細かに話を聞いて、最終的に「私には出来ないです。」と言って帰って行った。所要時間三十分。不採用っていうか、向こうからお断りされた。

三十一人目は、山下さん。そうそう、あの山下さん。これから開店準備が忙しくなってくるから一人では全ての対応ができないし、開店したら何人か男のスタッフも必要だと思っていた時に、「田附くん、俺、雇ってくれへん?」と、ちょうど電話がかかってきたから、「一、喫茶店で話しましょう。」と言って、来てもらった。とりあえず、求人広告に載せている電話番号の転送先を山下さんの携帯電話に切り替えて、電話対応をしてもらうことにした。仮だけど、採用。

三十二人目は、チカちゃん。はっきりと教えてくれないけど、昼間は派遣で働いているものの給料が安くて、しかも八十万円くらいの借金の返済もあるから、生活が苦しいらしい。学生の頃にも、短期間だけど風俗で働いていたことがあって、また少しだけ働いてみようかなと思い立って、応募してきた。ごく普通の子で、クラスで八番目くらいの女の子だけど、しっかりと働いてくれそうだし、良さげ。採用。

  今日の面接は、これだけ。山下さんを除けば三人しか面接してないけど、それでも一人は採用できたから、効率は良い。とはいえ、このペースでは絶対に開店までに間に合わない。女の子が揃えられなくて開店が出来ませんでしたなんて事態になったら最悪だから、もっと募集広告を増やした方が良いのかな。また、求人雑誌の担当者を呼び出して、相談してみよ。

そうそう、明日から、内装工事中の店舗の三階の事務所が使えるようになるから、喫茶店の端っこでコソコソと面接するのも今日が最後やねん。ピンサロなんていう業態は、ソファを並べて、スピーカーを付けたら営業準備完了みたいなもんやから、いよいよ、営業開始まで、もうすぐやで。俺の店ピンクデザイア、まもなく始動やで。

よし、腹が減っては戦は出来ぬ、精子を貯めては戦は出来ぬ。サエコと夕飯を食べに行って、ちょっと店に顔を出してから、二十時半に出会い系の女の子と待ち合わせ。分刻みのスケジュールやな。あぁ、忙しいわ、忙しいわ。

エッチ産業の経済学
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※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい8割くらい真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。

※夜の連続ブログ小説ということで、毎週月曜日から金曜日の夜8時(日本時間)に、最新話をアップいたします。毎晩読んでいただくのもよし、ある程度まとめて読んでいただくもよし、ご自由にお楽しみください。