この男、猥褻につき

夜の連続ブログ小説(ほぼ完全ノンフィクション)

第八十七話「ドルガバ」

time 2016/02/19

第八十七話「ドルガバ」
 面接をしていると仕事をしている気になるけど、まだ店は開いていないから、金を稼いでいるわけじゃない。早く店をオープンさせたい。山崎先生に任せている申請とか許可取りの方が、特に問題がなさそうだから、俺は女の子を確保することに集中するしかない。さて、今日も始めるか。
 
 十六人目は、大学生のカズエちゃん。四回生で就職活動中らしい。今は居酒屋のアルバイトをしていて月に三十万円くらい稼いでいるんだけど、社会人になると手取りが二十万円を切る現実を知って、短期間でも高収入のアルバイトをしたいと応募してきた。初めは暗そうな子だと思ったけど、話し方が上手で、だんだんと盛り上がって五十分も話し込んでしまった。こういう子には、良い常連さんが付くねん。採用。

 十七人目は、豆腐ちゃん。いや、トウコちゃん。とにかく色が白くて、その白さが美しいというよりも、不健康そうに感じる子。お菓子の専門学校に在籍しているんだけど、ほとんど学校にも行ってなくて、夜な夜な飲み歩いているらしい。気だるそうな話し方と、座り方が汚いのが、めっちゃ気になる。不採用。
 

 いや、そんなことより、さっきから気になっててんけど、なんで吉江が隣に座ってんねん。明らかに関係者ヅラして、女の子の話に頷いたりしてんねんけど、お前、関係ないやん。
 
「なにしに来てん、お前。」
「いや、昼飯をご一緒しようかと思いまして。」
「来てほしいときは電話するから。」
「あ、良い話もあるんですけどねぇ。」
「なんやねん。」
「今晩、ヒロ兄、ご飯に行きませんか?」
「なんで、昼も夜も、お前と一緒やねん!」
「へー、そっか。横浜の女の子も二人、来るんですけどね。」
「嘘つくな。お前が、どこで横浜の子と知り合うねん。」
「へへへ。」
「ホンマなん?」
「いや、無理にお誘いは、しませんけど。」
「いやいやいや、吉江さま、お供させてください。」
 
 まだ半信半疑ではあるけど、久しぶりに関東の女の子と遊べるって、テンションあがるやん。吉江が連れて来る女だから、大して期待は出来ないけど、もう面接ばっかりで嫌になってるところだし、仕事抜きで女の子とオシャベリしたいねん。よし、今日はあと何人や。早よ面接を終わらせて、横浜の女の子と豪華ディナーや。なんやろ、ヨコハマって、ええ響きやなぁ。
 
 十八人目は、二人の子持ちだというチカちゃん。十八歳で子供が出来たから結婚したけど、子供が生まれた直後に、旦那が他の女と一緒にいなくなって、二十歳のときに別の男と再婚して、二人目の子供が生まれて、やっぱり旦那が愛人を作って逃げて、現在は独り身で二人の子持ちという二十三歳。かわいらしい顔やし、愛嬌があるし、ええねんけど、なんか滲み出る生活感が重いねん。不採用。
 
 十九人目は、カヨちゃん。高校を卒業して、特に何をするわけでもなく、毎日、暇を持て余しているらしい。若くてキャッキャしてる感じが楽しい。たぶん、めっちゃアホな子やねんけど、このアホさは良い。明るいアホ。これは採用。と思ったんだけど、働く前に年齢確認の書類が必要だと言ったら、急にションボリし始めたから、軽く問い詰めてみたら、年齢詐称が判明。危ない、危ない、まだ十六歳だった。残念だけど、もちろん不採用。
 
 二十人目は、イツキちゃん。どこかで見たことがある顔だと思ったら、サエコと同じル・シャネルで働いているキャバ嬢だった。ぽっちゃり体型で、決して美人では無いから、キャバクラでの売り上げはイマイチらしいけど、もしかしたらピンサロには合ってるかも。ずっとニコニコしてて、話をしてて楽しいし。ただ、ル・シャネルから女の子を引き抜いたとか言われて、後で揉めるのが嫌だから、しっかりと今の店を辞めることを条件に、採用。
 
 二十一人目は、ユカちゃん。全身ドルガバで身を固めた金髪ロングのド派手な女の子。座ってスグに「給料は週払いですか?」と聞いてきて、そこから怒涛の質問ラッシュ。どっちが面接されてる側か分からへん。で、俺の回答の何にムカついたのか分からないけど、急に立ち上がって「この人、風俗業者です。みなさん、気を付けて。」と叫び始めた。もう最悪。なんやねん、こいつ。もちろん不採用。
 
 本当は、あと一人、面接に来る予定になっているけど、周りからの冷たい目線を受けながら面接を続けるわけにもいかないので、今日のところは撤収。つぎの女の子に連絡を取りたいけど、携帯電話の番号を聞いてなかったから捨てるしかないなと思っていたら、ちょっと早めに来てくれたから、一緒に喫茶店を出て、近所にあるハンバーガー屋さんの二階に移動して、面接再開。
 
 二十二人目は、フリーターのタカコちゃん。アルバイトをしながらプラプラしている子って多いけど、自分からフリーターですって名乗られると、なんか違う気がするねん。俺は、バブル絶頂期に就職したから、就職氷河期とか言われてもピンと来えへんけど。ただ、さすがにフリーターを自称するだけあって、アルバイト経験が豊富で、色んな業界の裏話を教えてくれたりして盛り上がった。こういう子、好き。採用。
 
 よし、予定通り、全部の女の子の面接が出来た。朝イチのカズエちゃんと、キャバ嬢のイツキちゃんと、最後のタカコちゃん。新たに三人獲得。今日は、まあまあ収穫ありやな。上機嫌で吉江に電話したら、すぐに駆けつけてきた。どんだけ近くで待機しててん、こいつ。
 
「さて、行きましょうか。女の子、待ってますよ。」
「ところで、どこで女の子を捕まえたん?」
「え?出会い系サイトですよ。」

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※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい8割くらい真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。

※夜の連続ブログ小説ということで、毎週月曜日から金曜日の夜8時(日本時間)に、最新話をアップいたします。毎晩読んでいただくのもよし、ある程度まとめて読んでいただくもよし、ご自由にお楽しみください。
 


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