この男、猥褻につき

夜の連続ブログ小説(ほぼ完全ノンフィクション)

第七十一話「山科」

time 2016/01/29

第七十一話「山科」
 朝八時半に起きて、九時半に店を開けて、夕方に全体ミーティングをして、午後八時には店を出る。ここまでは、いつもと一緒。でも、今日は、スキャンダルのある祇園ではなく、山科へと向かう。そう、シェリーちゃんが待っている山科へ。
 
 あまりにあっさりと、寮に遊びに行っても良いと許可をいただけたので、なんとなく怪しい気もするけど、寮に入らざれば女子を得ず。悩んでも仕方がないから、とにかく突入だ。寮から百メートルくらい離れた場所でシェリーちゃんが待っていてくれて、一緒に歩いて寮に向かう。

「これ、お土産。」

「え?なんですか?」
「神戸のお菓子、貰い物やけど。」
「たっちゃん、ありがとうございます。」
 
 ピンクのタンクトップに短パン姿で、まったく着飾っていないシェリーちゃんも、かわいい。透き通るような白い肌って、まさにこれやな。顔はすっぴんではないけど、ほぼノーメイクに近い。俺が既婚者だってことも知ってるし、木屋町のファッションヘルスの店長ってことも知ってるのに、警戒心が全く無い。不思議な子やな。
 
「なんで、オッケーしてくれたん?」
「何をですか?」
「いや、寮に来ても良いって。」
「たっちゃん、すごく優しいから。」
「え、そうかな。」
 
 これ、大丈夫なんかな。なんとなく、お兄ちゃんカテゴリに入れられてるような気がするけど。セクキャバで働いてる女の子やし、寮の部屋に招き入れてくれるってことは、そういうことやんな。なにも無かったら、どうしよ。
 
「ちょっと、たっちゃんに相談したいことも、あるんですよ。」
「あ、そうなんや。」
「はい!店の女の子とかには話せないことで。」
 
 笑顔で、俺の目を見ながら話をしているから、そんなに深刻な相談でもなさそうだけど、職業柄、女の子の相談に乗るのは得意だから、問題ない。ただ、わざわざ俺が山科まで来た目的が遂行できれば。
 
「ここです。部屋、狭いですよ。」
「へー、わりと良いとこやん。」
「そんなことないですよ。」
 
 他の女の子たちは出勤しているから、アパートには人気がない。鉄筋の外階段を昇って、二階に向かう。階段からスグ右手が、シェリーちゃんの部屋みたいだ。今、カギを開ける仕草をしなかったけど、まさか戸締りをせずに出かけてたわけじゃないよね。
 
「あ、カギをかけるの忘れちゃうんですよ。」
「危ないで。」
「うちの地元、だいたいそうなんで。」
「ここ、北海道ちゃうから。」
「そうですね。努力します。」
 
 なんだか無性にかわいくて我慢できなくて、シェリーちゃんを後ろから抱きしめた。ちょっと驚いた様子で、小さな声を上げたけど、別に嫌がる素振りもないから、そのままタンクトップの脇のところから手を入れる。ベッドの端に腰を下ろして、そのまま後ろから身体を撫で回す。なんも抵抗せえへんやん。
 
「私の相談を、先に聞いてくださいよ。」
「あとで、ちゃんと聞くから。」
「そうですか。分かりました。」
 
 ベッドに横になって、キスをして、白くて若い肌を舐めまわす。意外にも、シェリーちゃんも積極的で、俺の身体を舐め返してくれる。酒に酔っているわけでもなく、こんなに自然な感じでエッチが出来ることなんて、なかなか無い。やっぱり三十歳が近くなると、大人の魅力みたいなものが、俺から滲み出てるんかな。
 
 たまにシズエが話しかけてくるけど、完全に無視して、シェリーちゃんに集中する。寮の部屋で、こんなに大きな声を出して良いのかなと不安になりつつも、シェリーちゃんとのプレイを全力で楽しんだ。勢い余って二回やったけど、まだまだ物足りないくらいだ。
 
「あの、相談なんですけど。」
「あ、そうやったな。どうしたん?」
「私、うちの店のホール課長と付き合ってて・・・」
「えっ?はぁ?まじで?」
「はい。」
 
 やたらエッチが上手いと思ったら、そういうことか。かなり色んなことを教えられてるな。いや、そんなことより俺は、この部屋にいて大丈夫なんかな。まぁ、当のホール課長はこの時間、祇園のスキャンダルの爆音のなかで、お客の顔色をうかがいながら、テーブルにつく女の子を調整することに必死で、シェリーちゃんのことなんか頭に無いだろうけど。それにしても・・・。
 
「別れたいの?そのホール課長と。」
「いや別に。ただ、ちょっと変かなって。」
「俺も職場結婚やから。気持ちは分かるで。」
「あ、そっか。」
「うん。只今、絶賛、別居中やけどな。」
「やっぱり、たっちゃんに相談して良かった。」
「また何かあったら、相談してや。」
 
 こんな楽な応対だけで、ヤラセてもらえるんやったら、めっちゃラッキーやん。お互いに、こんなことがバレたら、かなりヤバいけど、ふたりだけの隠し事って、なんか幸せな気分や。あかん、我慢できへんから、もう一回いいかな、シェリーちゃん。
 
「ヒロくん、隠せると思ってるの?私に。」
「え?」
「私だけのヒロくんでいてよ。」

 

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※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい8割くらい真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。

※夜の連続ブログ小説ということで、毎週月曜日から金曜日の夜8時(日本時間)に、最新話をアップいたします。毎晩読んでいただくのもよし、ある程度まとめて読んでいただくもよし、ご自由にお楽しみください。
 

 


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