この男、猥褻につき

夜の連続ブログ小説(ほぼ完全ノンフィクション)

第三十九話「教育係」

time 2015/12/10

第三十九話「教育係」

 完全にやってしまった。社員になった祝いだと言われて、ゲイバーに行って、ドンドン飲めと言われて、思いっきり酒を飲んで、酔っぱらった勢いとは言え、部屋に上がり込んで、上司の命令は絶対とは言え、佐伯店長を無我夢中で抱いた。これは、アカンやろ。

 ハルカと恋仲になったことでさえ、とんでもないハプニングなのに、さらに、とんでもないことを抱え込んでしまった。ゲイバーのトオルさんとか、ユウジさんの話は楽しかったし、チエミさんは女の子よりも女の子らしくて、めっちゃ可愛かった。まぁ、見た目はめっちゃブサイクなオカマちゃんだらけだったけど。

 あの店のオカマのママが、テーブルの下から顔を出して、俺のズボンのチャックを下ろして、俺のナニをアレして、うちの佐伯店長が、横から俺のアレをナニして、もう身を委ねるしかないわと諦めて、ナニがアレして、アレがナニして、その結果・・・・。 

「ヒロキ、そろそろ起きや。」
「店長、はい!」
「なにを寝ぼけてるの?」
「あ、ハルカ。」
「おはよ。朝食できてるよ。」

 はじめてのゲイバーは、思っていたよりも凄く楽しかった。女の子を隣に座らせて酒を飲むのも楽しいけど、性別を踏み越えた女の子たちと飲むのも、また格別に楽しい。木屋町でナンバーワンのファッションヘルスの店長が、どんなところで酒を飲むのかに興味があったけど、新しい世界を知ることが出来て、本当に楽しかった。ついでに、うちの店長とのアレが夢で、本当に良かった。

「店長がな、俺のこと、めっちゃ気に入ってくれてはるみたいやねん。」
「うん、店長、ヒロキのこと、嬉しそうに話すわ。」
「え、俺のことを話してたりするんや。」
「そうやで。」
「俺、女の子の面接とか、教育係をやらせてもらえるって。」
「え?そうなんや。」
「昨日、飲みながら言うててん。」
「そっか。良かったなぁ。」

 社員になれたことを報告した時には、満面の笑みで喜んでくれたから、また同じように祝福してくれることを期待したけど、ハルカは浮かない表情をしている。もちろん、アルバイトから社員になったことに比べれば、社員としての業務が増えるだけの話なので、大したことが無いのかもしれないけど、すこし残念だ。

 午前九時半、いつも通りに出勤して、平田くんと一緒に店内を清掃して、お客様を出迎える。ここまではアルバイトと同じ業務だけど、ここからが違う。十三時に面接の女の子が来る予定になっている。もちろん、店長と一緒に面接するんだけど、お店の運営に参加できることが嬉しい。

「田附、お前は客の気持ちで女の子を見ろよ。」
「分かりました。」
「自分が客やったら、どう思うかな。」

 ピチピチホームは、女の子たちのプライベートを守ることも徹底しているので、噂を聞いた女の子たちが、次々と面接に来る。お客さんに待合室で女の子のプロフィール写真を載せたアルバムを見せないシステムも、女の子たちの顔が不特定多数の来客に見られないようにとの配慮から生まれたものらしい。客としては、部屋の前で直接見て選ぶというドキドキ感を味わえるから一石二鳥だ。

「どうして、うちで働こうと思ったん?」
「彼氏の夢を応援してあげたいから。」
「どんな夢なん?」
「バンドをやってて。」

 佐伯店長の面接は、俺の時と同じく、素朴な質問をいくつかぶつけるだけ。そして、面接は「ほな、明日から頑張ってな。」で終了した。ただ、俺の時と違うのは、最初の出勤の日、つまり明日の朝、実技の講習をするということを念入りに伝えたことだ。俺は、いきなり実践で仕事を覚えたけど、さすがに女の子には実技講習があるんだなと思った。

「田附、お前が講習やれ。」
「え?俺がですか?」
「そうや。」
「講習ってどうやって・・・」
「お前が客として実際に同じことをやってもらって、客の目線で思ったことを女の子に言うたったらええねん。」

 昨日の夜、佐伯店長と飲みながら、俺がファッションヘルスに頻繁に行っていたこととか、ピチピチホームを選ぶ前に木屋町の全てのファッションヘルスに視察に行ったことを話ししたのを思い出した。店長が、俺に面接や、講習を任せようと考えてくれたのも、俺が客としてファッションヘルスを見れると判断してくれたからなんだろう。

 そして、もうひとつ、今朝、浮かない顔をしていたハルカのことを思い出した。俺が面接や教育係を任されると聞いたハルカは、もちろん講習のことも知っているから、あんな顔をしていたんだ。今さらながら、余計なことを言ってしまったと後悔する。

 それにしても、さっき面接したミカちゃんは、ふっくらとした丸顔で、すごく綺麗とか、すごく可愛いとかじゃないけど、優しくて良い子そうだったなぁ。あんな子の風俗デビューを俺が相手させてもらえるなんて、仕事とは言え、めっちゃ嬉しい。明日の朝が、待ち遠しいなぁ。風俗の教育係って、めっちゃええやん。

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※この物語は、主人公の回想に基づき、だいたい8割くらい真実のフィクションであり、実在の人物とは一切関係ありません!とは言い切れません。

※夜の連続ブログ小説ということで、毎週月曜日から金曜日の夜8時(日本時間)に、最新話をアップいたします。毎晩読んでいただくのもよし、ある程度まとめて読んでいただくもよし、ご自由にお楽しみください。
 


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